REPORT

玉置浩二PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2015-THE FINAL-公演レポートクラシックと融合した革新的ライブの集大成!

玉置浩二PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2015-THE FINAL-公演レポート!

クラシックと融合した革新的ライブの集大成

 2015年12月8日東京国際フォーラム・ホールAにて行われた、玉置浩二 プレミアム・シンフォニック・コンサート2015FINAl公演をレポートします。

2015年12月8日、東京国際フォーラム・ホールAにて【玉置浩二 プレミアム・シンフォニック・コンサート2015−FINAL−】が行われた。

 今年よりスタートした玉置浩二のbillboard classics公演。2016年には再演も決定しているが、この日は、その2015年の締めくくりとして、玉置浩二と指揮者の大友直人、そして東京フィルハーモニー交響楽団という三者が改めてタッグを組んだ。会場には性別/世代問わず多くのファンが集結、開演前から熱気が溢れた。

 ライブが始まると、まずはオーケストラと大友が先に登場。ライブのイントロとなる「序曲」から演奏を開始する。玉置の代表曲「田園」のフレーズをモチーフとして引用した演奏に、早くもライブ後半の盛り上がりを予感させた。

 続く「あこがれ」の演奏中、観客の拍手に迎えられて玉置が入場。まだマイクを手にしていないにも関わらず、そのハミングが微かに聴こえ、生声が東京国際フォーラムのホールに響く。その様子もまた後の熱唱を予感させた。

 3曲目の「ロマン」からはいよいよ玉置の歌が入る。まずは抑え目の歌唱でありながら、圧倒的な声の存在感で聴かせる。口元から離れた、胸の前あたりで持たれたハンドマイクも印象的で、玉置はマイクと顔との距離を自在にコントロールし、そのテクニックで視覚的にも観客を魅せた。

 「GOLD」、「碧い瞳のエリス」とロマンチックなオーケストラのアレンジに合わせて、抑制の効いた歌が続いた前半。ここで玉置のMCパートが訪れる。玉置はこの東京国際フォーラムでbillboard classicsの最終公演を迎えることができたことへの喜びと感謝を語り、続けて「僕は愛を信じてまして…平和を信じ、幸せを願い、今日は歌って参ります。」と語った。結局、玉置がこの日、MCで語ったのはこの時だけだったが、その誠実な語り口に会場からは大きな拍手が起きた。MC後、第一部の後半はさらにヒートアップ。「夢のつづき」や「MR. LONLEY~メロディー」のメドレーでより幅広い歌声を聴かせ、最後は「Friend」の演奏で前半を折り返した。

 約20分の休憩を挟んで行われた第二部では、冒頭でオーケストラのみの演奏でブラームス作曲の「ハンガリー舞曲第1番」を披露。普段の東京フィルハーモニー交響楽団のレパートリー曲をここで演奏することで、改めてオーケストラの機能や音色をプレゼンテーションする。今回の企画が、玉置にとってだけでなく、彼のファンにとってもクラシック音楽との出会いの場であることに改めて気付かされる。

 続いて登場した玉置は、第一部の衣装にストールを巻いて、より華やかな装いで登場。オーケストラと合流し、人気曲「田園」を演奏する。オーケストラのストリングスが前面に出たイントロでは「待ってました!」とばかりに客席から手拍子が起こるなど、会場のテンションは最高潮に達した。

 「恋の予感」は、ささやくような歌い方から始まり、最後は声を張り上げてシャウトする構成で、玉置の歌のダイナミクスが存分に発揮される一曲に。玉置はそうした歌のダイナミクスをライブの随所で発揮しており、それがオーケストラの持つダイナミクスの特性と、見事に双方を活かしあっていた。

 2014年に発表された「それ以外に何がある」は、シンプルで分かりやすい言葉を、聞き取りやすい歌い方で届ける一曲で、声の魅力だけでなく、その言葉がしっかりと聞き手の心に入ってくる。また、「いかないで」ではほとんどオフマイクと言えるようなマイク位置でサビの一節を絶唱し、その表現力でもファンを魅了した。

 低音の地声から高音の裏声まで、豊かで魅力的な声色のまま幅広い音域を歌える圧倒的な歌唱力。加えて、あくまで日本語を大切にした歌でありながら、都会的で現代的な響きを失うことのない歌の魅力を存分に発揮した玉置。第二部ラストは「ワインレッドの心~じれったい~熱視線」のメドレー、そして「コール」という順に歌い、大盛況で本編を閉じた。

 総立ちの観客に迎えられ行われたアンコール。オーケストラ、大友に続いて登場した玉置だが、拍手が足りないとばかりに冗談めいた表情を作り、何度も舞台袖に下がってファンを笑わせる場面も。そんな朗らかで満ち足りたムードの中、アンコール1曲目としてまずは松井五郎作詞の名曲「悲しみにさよなら」を披露した。

 そしてクライマックス。
 最後はマイクを完全に横に置き、玉置がかつて井上陽水と共作した「夏の終りのハーモニー」のオーケストラ版を、マイクを通さない完全な生声で熱唱。五千人規模の会場に歌声が染み渡る圧巻のパフォーマンスに、多くのファンから嘆息が漏れる。会場の全員が耳を澄ませた静謐な雰囲気の中、最後まで歌い切り大喝采を呼んだ。

 演奏終了後は、明るくなった場内で玉置と大友を含む演奏メンバー全員が喜びを分かち合う。特に、演奏中何度も視線を交わし、細かく変化していくリズムやアンサンブルへの意識を通わせながら1つのショウを演奏し切った玉置と大友は、互いに何度も握手を交わし、感無量という様子で鳴り止まない観客の拍手に答えていた。

 オーケストラとのスリリングな演奏で、テンポの揺らぎや、アンサンブルの揺らぎを楽しみ、33年に及ぶ玉置のキャリアの名曲を、現代的な音楽として提示した今回のシンフォニック・コンサート。全霊で曲に入り込んで歌う玉置はもちろん、大友やオーケストラメンバーにとっても消耗や負荷の少なくないチャレンジだっただろう。しかし、それを乗り越えて成功した公演の革新性、そして玉置の歌唱に心が洗われるような思いのする公演だった。

 なお、【玉置浩二 プレミアム・シンフォニック・コンサート】は2016年の再演も決定している。

文:入江陽、佐藤優太

SCHEDULE

玉置浩二、ビルボードクラシックスFINAL公演レポート ※SOLD OUT

DETAIL

【玉置浩二 プレミアム・シンフォニック・コンサート2015−FINAL−】
2015年12月8日(火) 会場:東京国際フォーラム・ホールA
東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:大友直人

<セットリスト>
【1部】
01. 序曲
02. あこがれ
03. ロマン
04. GOLD
05. 碧い瞳のエリス
06. 夢のつづき
07. あなたに
08. MR. LONLEY~メロディー(メドレー)
09. Friend

【2部】
10. ブラームス「ハンガリー舞曲第1番」
11. 田園
12. 恋の予感
13. それ以外に何がある
14. いかないで
15. ワインレッドの心~じれったい~熱視線(メドレー)
16. コール

【アンコール】
17. 悲しみにさよなら
18. 夏の終りのハーモニー

MOVIE

PHOTOS

PROFILE

玉置 浩二

玉置 浩二

1958年生まれ。北海道出身のシンガーソングライター。1982年バンド「安全地帯」としてデビュー。「ワインレッドの心」、「恋の予感」、「悲しみにさよなら」など80年代の音楽シーンを席巻。ソロ活動で作詞も手がけ始め、「田園」をはじめとする多くのヒットを生み出す。 2012年には、オリジナルレーベル「SALTMODERATE」を発足。安全地帯とソロの活動を並行して行いながら、2014年、7年ぶりとなるオリジナル・ソロ・アルバム『GOLD』、そして同じ時代を共有してきたアーティストの名曲を歌ったアルバム『群像の星』をリリース。2015年・2016年、国内外の主要オーケストラと共演するビルボードクラシックス公演を実施。2016年6月、バルカン特別編成交響楽団に管弦楽作品「歓喜の歌」を謹呈。 同作品は10月、スイス・ジュネーブの国連欧州本部における平和祈念コンサートで演奏され、欧州初演を飾った。

オフィシャルサイト http://saltmoderate.com/

大友直人(指揮)

大友直人(指揮)

桐朋学園大学を卒業。指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、岡部守弘各氏に師事した。桐朋学園大学在学中からNHK交響楽団の指揮研究員となり、22歳で楽団推薦によりNHK交響楽団を指揮してデビュー。現在、群馬交響楽団音楽監督、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団ミュージックアドバイザー。また、2004年から8年間にわたり、東京文化会館の初代音楽監督を務めた。 在京オーケストラの定期演奏会にとどまらず、これまでにコロラド交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団などに招かれ、2012年にはハワイ交響楽団のオープニングコンサートを指揮、同年6月にはロレーヌ国立管弦楽団の定期公演に客演。絶賛を博し、欧米での活躍にも大きな期待が寄せられている。 第8回渡邊暁雄音楽基金音楽賞(2000年)、第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞(2008年)を受賞。

東京フィルハーモニー交響楽団

東京フィルハーモニー交響楽団

1911年創立の日本で最も長い歴史をもつオーケストラ。メンバー約130名、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ。名誉音楽監督チョン・ミョンフン、首席指揮者アンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者にミハイル・プレトニョフを擁する。
Bunkamuraオーチャードホール、東京オペラシティ コンサートホール、サントリーホールでの定期演奏会を中心とする自主公演、新国立劇場等でのオペラ・バレエ演奏、『NHKニューイヤー・オペラコンサート』、NHK『名曲アルバム』、テレビ朝日『題名のない音楽会』、テレビ東京『東急ジルベスターコンサート』などの放送演奏により全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。
海外公演も積極的に行い、近年では2014年3月のアジア・欧米6か国を巡るワールド・ツアー、そして2015年12月には日韓国交正常化50周年を記念してチョン・ミョンフン指揮のもとソウルと東京の2都市でソウル・フィルハーモニー管弦楽団と合同で「日韓友情『歓喜の第九』」演奏会を行い、国内外の注目を集めた。
1989年からBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んでいる。また東京都文京区、千葉県千葉市、長野県軽井沢町、新潟県長岡市および公益財団法人長岡市芸術文化振興財団と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。

公式ウェブサイト http://www.tpo.or.jp/
公式Facebook https://www.facebook.com/TokyoPhilharmonic
公式twitter https://twitter.com/tpo1911

 

世界のクラシック音楽の新しい魅力を導く多彩なパフォーマンスを披露します。