CLASSICAL / REPORT

西本智実がヴァチカン国際音楽祭に出演、
ドラマティックな「レクイエム」を披露

 新井秀幸鍋島徳恭2013

 
 2014年10月23日ローマ教皇庁宗教音楽院において、ヴァチカンで毎年開催される国際音楽祭を主催するヴァチカンの音楽財団より、巨匠アーノンクールらとともに、西本智実が「名誉賞」を最年少で授与された。厳粛な雰囲気の中、「日本人のマエストロ西本」の名が呼ばれると、会場は大きな拍手に包まれた。枢機卿長と並んでカメラの前に立つ西本に、欧州から集まった記者たちから、その栄誉を称えた多くのフラッシュが降り注いだ。また、翌日のサン・ピエトロ大聖堂の「ローマ教皇代理ミサ」では、西本智実が芸術監督を務めるイルミナートフィルハーモニーオーケストラ、イルミナート合唱団とヴァチカン専属の聖歌隊「システィーナ礼拝堂合唱団」の共演が実現。西本とイルミナート合唱団により、長崎県平戸市生月島で約456年間かくれキリシタンにより口伝のみで伝えられたグレゴリア聖歌「オラショ(oratio)」が、2013年に続き復元演奏され、世界遺産としても知られる大聖堂の参列者から大きな喝采を受けた。

 そして、西本智実にとっても記念すべき日となった2014年10月26日、舞台はサン・パオロ大聖堂。ウィーン・フィルとともにメインオーケストラとして招聘された同音楽祭では、西本智実指揮イルミナートフィル&イルミナート合唱団による渾身のヴェルディの「レクイエム」が披露された。
大聖堂の荘厳な空間に、西本智実が導く流麗で、深い迫真感に満ちたドラマティックな響きが降り注ぎ、緻密なテンポでソリストと合唱から最高の歌唱を引き出した。

 「レクイエム」の最後の音が鳴り終わってから、約40秒余、緊張と感動の静寂が大聖堂を支配し続けた。そして、西本が正面を向いた瞬間、その静寂がとかれ、スタンディングオベーションとともに大聖堂に大きく響く感動の拍手と喝采が続いた。世界各地から集まった聴衆は総立ちとなり、人間の声が持つ根源的な「力」を導いた西本の記念碑的演奏を讃えた。

2015年、3年連続となる招聘も決定している。
2015年10月28日 サン・ピエトロ大聖堂 ローマ教皇代理ミサ
2015年10月30日 サン・パオロ大聖堂 演奏会 ヴェルディ「レクイエム」


◎授賞式映像

http://youtu.be/VnggV9XpGok

写真 左:新井秀幸 右:鍋島徳恭

世界のクラシック音楽の新しい魅力を導く多彩なパフォーマンスを披露します。